アクリル製品について

ケースにつきまして

『弊社のディスプレイケースのこだわり』
 ディスプレイケースという物は平面部分が大半ですので、「透明度」には特に材料選定からこだわっております。
 弊社のディスプレイケース材料は「三菱レイヨン:アクリライトEX」という物を基本的に使用しております。
詳しい方はお分かりかと思いますが、国内メーカーの中でもトップに値する材料でございます。
従って、国産品の中でも高価な材料の1つになります。
 なぜコストのリスクを犯してまでこの材料を、とお思いかもしれませんが、ケース1つで展示品の質も落しかねないのが現状でございます。
 価格を落とすことばかりを考え、質も低くしてしまう物のご提案は控えております。
よって商品価格としましては、残念ながら成型加工品のような低価格は実現できかねるところもございますが、
職人による1ヶ所1ヶ所、手作業にて組み上げる加工品 を限りなくお安くご提案させていただくことがモットーです。

しかしながら、『手加工品』という点で、どうしてもご理解いただきたい部分がございます。
もちろん細心を払い制作しておりますが、「接着剤のはみ出し」「接着箇所の気泡」「細かなキズ」が出てしまう箇所がどうしてもございます。もちろん気をつけてはおりますが、予めご理解ください。
「接着剤のはみ出し」につきましては、十分に接着剤が到達するために、加工箇所によっては多めに流します。
「接着箇所の気泡」につきましては、接着後にアクリル材が溶けた時にガスが発生し、後になってから生まれてくる場合がございます。

尚、お届けした商品につきまして、開封時に『酸っぱいニオイ』がしますが、これは業務用接着溶剤に混合している薬品臭でございます。こちらは時間経過で無くなりますのでご安心くださいませ。

配置場所につきまして、必ず平らな場所に置いてください。制作時は平行を保った作業台で制作しております。
傾斜のあるところなどに配置されますと、その形のまま変形してしまい歪んでしまう恐れがあり、ホコリなどが混入してしまう恐れがございます。

ケースの上にケースを置くことは「重ねる機能付きの商品」以外では推奨しておりません。
静電気でアクリル同士が吸着し固定されることもありますが、アクリルのツヤ面同士は滑りやすく、転落の危険性がございます。
また、下のケースの天板と上のケースの底面が同じ面積のケースの場合は加重が分散されますので郷土は確保できますが、寸法が異なるケースを重ねますと、重量によっては変形が起きてしまいます。

制作時の使用材料

「カラーアクリル」や「アクリルミラー」は基本的に都度、メーカーより取寄せておりますので、同じ商品を再度ご注文いただきましても、制作時期により使用材料(メーカー)が代わってしまうことがございます。
できる限り合わせるようにいたします。

ケガの注意

アクリル板のエッジ辺・アクリルケースの頂点はとても鋭く、思わぬ怪我の原因につながります。(私も幼少期にやってしまいました)
危険回避のためには以下の作業が効果的です。

【アクリルケースの場合】
・・・頂点部分には金ヤスリ(爪切りのヤスリ部分)で軽く角を落としてください。
この加工は、ケースの景観の関係で当方での処理は予め施しておりません。

【アクリル板の場合】
・・・ノコカットでお送りしました商品には糸面取」を施しててご使用下さい。
(四隅のヤスリかけなども視野に)
金属定規のエッジ部やカッター(できればアクリルカッター)などのエッジ部を45度程度倒しス〜〜と削り落として鋭利な部分を取り除いてください。

どちらにしましてもアクリル製品は、幼児・お子様の手の届かない場所でご利用下さい。

キズの注意

アクリルの表面はとても傷付きやすいので注意が必要です。ティッシュペーパーや指でこするだけでも傷付くことがあります。

【軽度の白い擦れ傷には】
→文具の「消しゴム」で消える場合があります。
(キャラ物などのあまり消えない消しゴムではなく良く消えるタイプの物が適してます)
消えない場合は↓をお勧めします。

【ちょっとした線キズ(爪が引っかからない程度)には】
→市販の研磨剤「車用の傷落し(プラスチッククリーナー)」や模型用の「コンパウンド(極細目)」をお勧めします。使い古しの綿のシャツやメガネクロス等が適してます。

【深い線キズ(爪が引っかかってしまう程度)には】
・・・耐水サンドペーパーを濡らしながらの地道な作業になります
 粗目#500〜600>中目#1000>細目#1200〜2000の順に使用し、傷をだんだん平滑にしてから
最後に上記の研磨剤で仕上げます。(※経験上、かなり気の遠くなる作業になりますが処理後は感動します。。)

汚れ及び
メンテナンス時の注意

汚れを落とす時には、水で薄めた中性洗剤を使用し柔らかい布で洗い落として下さい。
その際には絶対にシンナー、ベンジン、アルコールなどの揮発性溶剤を含む薬品等で拭かないで下さい。
細かいヒビが入る事や、白く変色する事があります。
市販の液晶・ガラスクリーナーなどを使用しても、接着部などの加工部が劣化する恐れがございます。

ホコリ等の注意

材料の表面は静電気を帯びる事でホコリが付着しやすく、その状態でメンテナンスしますとキズの原因にもなります。
ホコリの付着を防ぐためには、頭髪用のリンスを水で薄めた物で拭き上げると、配合中の界面活性効果により、ある程度の帯電(静電気)の発生を軽減することが出来ます。

温度・湿度の注意
@保管時

アクリルは高温・高湿度になると生き物のように変形します。保管の際には涼しい場所に置いて下さい。
保護紙(マスキング)は早めに剥がして下さい。元々水分の浸透を軽減する為のワックス処理が施されている物もあるのですが、絶対的なものではないため、アクリル板との接触部の糊が溶け出し、剥がれにくくなる場合があります。

A使用時の反り

アクリル板などの樹脂板は素材の特性から必ず反りが出ます。ここがガラスに劣っている点です。
サイズが大きくなればなるほどそれは目立ってきます。
特にアクリルミラーなどはメーカーより入荷段階でもS字にねじれた変形が出てる場合があります。
もちろん変形の少ない物を取寄せておりますが、予めご了承願います。

私も長い間「環境と変形の関係性」を試してきましたが、それはあくまでも弊社内や自宅などでの近隣環境でしか調べることが出来ていない状態なので、偏った環境データになってしまうのです。(これらはメーカーの研究作業なのでしょうが。。)

特に弊社の【PC液晶保護パネル】の場合には、ご使用時に中央や端が浮いてくるとこがあります。
私の場合は1台は「中央が2〜3mmの浮き」他の1台は「端が3mm程度の浮き」がありました。
(でも、気が付くと戻っているのです。)
この場合には、裏返しにしてご利用になられましたり、1方向に反り癖が付いてしまいましたら、
それとは逆方向にクイックイッと手で加減しながら、しならせてみてください。これだけれも一時的な対処法になります。
ただくれぐれもやりすぎにはご注意下さい。折れて危険です。

尚、本パネルの本質的な用途は「液晶部の保護板(消耗品)」になりますので、物性上のことにつきましては何卒ご理解いただければ幸いにございます。

直射日光の注意

通常のアクリル板で室内生活レベルの紫外線は遮断できますが、直射日光や西日の照射は出来れば避けてください。

寸法公差について

【カット時の寸法公差について】
・・・もちろん気をつけておりますが、±公差0.5mmの許容差としてご理解いただきたいと思います。

【伸縮について】
温湿度の変化で0.1〜0.2%伸縮する場合があると言われてます。よってご自身でのご採寸時には予めクリアランス(余裕)をみることが必要です。
具体的には寸法の0.3%程度のクリアランスをみると良いと思います。※計算例:1000mm(1m)×0.3%=3mm